ファーストリテイリングと言えば、柳井会長とユニクロとGU
平成6年、1994年に学生だった私は、13日間の小笠原旅行に行きました。
世界のどこに行くよりも時間がかかるという28時間の船旅でしか行くことができない小笠原。
大学時代の最も印象に残っている出来事と言っても過言ではありません。
そんな小笠原旅行に行く前に、着替えとなるパンツなどを買い込んだのがユニクロでした。
安くて、ちょっとばかりオシャレな雰囲気があり、学生であった私にはストライクでした。
今から、27年前のことです。
下記のグラフから、94年当時は店舗数118店舗で売上が250億円程度なので、ようやく地方都市にも店舗ができ、全国展開が進みつつあった頃と思います。
そこから、2019年には3,589店舗で売上が2兆3000億円ということなので、店舗数が30倍で売上が100倍になっているということです。
現在はユニクロだけでなく、GUも全国展開されており、店舗数にはGUも含まれます。
工学部の学生だったので、さすがにユニクロに就職という選択はなったですが、もの凄い勢いと、購入して喜びを感じるお店だったので、今後も大きく伸びるだろうという印象はありましたが、ここまでになるとは想像もしていません。
今で言う、ちょうど「ワークマン」と同じ印象です。
安くて、良い商品が売られる店なので、「ワークマン」も今後はさらに伸びていくのかもしれません。

https://www.fastretailing.com/jp/about/business/aboutfr.html
そんなファーストリテイリング社が特許で敗訴 \(( °ω° ))/
そんな2兆円企業のファーストリテイリング社、つまりユニクロがセルフレジ特許訴訟で敗訴ということで、大きなニュースになっています。
勝訴した大阪市の「アスタリスク」なる会社はどんな会社かと思って調べてみると、いろいろと訳ありであることが分かりました。
まず、「アスタリスク」はこのセルフレジ特許の発明者であり、保有者は、滋賀県守山市の「株式会社NIP」という事実が分かりました。
出生地が滋賀である鹿児島に住む関西人には、「滋賀県守山市」の会社ということで俄然興味が湧いてきました。
「株式会社NIP」の代表取締役の美馬さんは、「株式会社NIP」WEBサイトの社長からのご挨拶で、
「日本では、特許で係争になったとしても、大手企業が多額の費用を積み込み徹底的に交戦し、それらに戦える優秀な弁護士や弁理士も資本が大きい会社側についてしまう。これらの事実として中小企業は泣き寝入りをせざるを得ない環境でもあります。」
と書かれています。
引用元 https://nip.jp.net/outline
この美馬さんは、「株式会社NIP」と同じ所在地にある「アスミル特許事務所」に、技術担当としてお勤めされている様です。
と言うことは、どういう経緯か分かりませんが、「アスタリスク」のセルフレジ特許にイチャモンをつけてきた「ユニクロ」に対して、特許保有者となって、真っ向と戦われ、そして勝訴されたということの様です。
「株式会社NIP」さんのホームページには、保有パテントとして、下記の様な紹介をされています。
関係する5つの特許がズラズラと並べて記載されており、その下には、定置型RFIDリーダーライターを使った「RFID Reading Tub」として紹介されています。

https://nip.jp.net/patent
今回の訴訟対象となった特許は、最初に登録された特許第6469758号で、2017年5月9日に出願されたものです。
特許は、特許庁の「特許情報プラットフォーム」で容易に検索できますので、対象特許について見てみると、図1の内容は正に、ユニクロさんが展開されているセルフレジそのものだという印象を受けます。

カゴに入れられているモノも服の絵で、自動的にRFIDで読み込まれたモノは、Tシャツであり、ポロシャツであり、パンツであり、靴下なのです。
出願が2017年5月9日ということで、たった4年前なので、こんな使い方は想定されていたとは思うのですが、やはり日本は先出願主義で、特許を真っ先に出願した人が勝ちなのです。
ユニクロサイドの弁理士さんは、2017年時点で、公知となっている技術文献や技術資料などを探しまくられたと思うのですが、最終的には特許を無効にするだけの証拠として認められなかったという結論だと思います。
特許訴訟で負けてしまったユニクロ柳井さんは、どのような手で巻き返しを図ってくるのか興味深く追っていきたいと思います。
